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胸焼け

胸焼け胸やけの症状は、逆流性食道炎をはじめとする消化器疾患に多くみられます。しかし、症状だけでは具体的な病気を特定することは難しいです。胸やけが続く方や受診が必要な症状がある方は、消化器内科で検査を受け、適切な治療を行いましょう。

胸焼けとは?

胸焼けは、多くの人が経験する不快な症状で、胸のあたりの違和感から焼けるような痛みであったり、ひりひりするような感覚が生じます。多くの場合、胃酸が食道に逆流して食道粘膜が刺激されることが原因です。

胸焼けを起こす疾患

胸焼けの原因として、いくつかの疾患が考えられます。逆流性食道炎(GERD)は最も一般的で、胃酸が食道に逆流して胸焼けを引き起こします。他にも、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がん、機能性ディスペプシア、食道がん、食道アカラシアなどがあります。また、消化器以外の疾患として、狭心症や心筋梗塞も胸焼けに似た症状を引き起こすことがあります。これらの疾患の正確な診断と適切な治療のために、内視鏡検査が重要です。

逆流性食道炎、非びらん性逆流性食道炎(NERD)

胸やけの主な原因は胃酸の逆流で、これによって「胃食道逆流症(GERD)」が発生します。日本では、GERD患者が増加しており、特に炎症を伴う「逆流性食道炎」と、炎症がない「非びらん性胃食道逆流症(NERD)」があります。GERD患者の中には「食道裂孔ヘルニア」を併発する人も多く、これが胃酸逆流を助長します。食道裂孔ヘルニアの原因には、加齢、肥満、慢性的な咳などがあります。

詳しい診断と治療については、他のページをご参照ください。

胃・十二指腸潰瘍

胃・十二指腸潰瘍は、胸焼けと密接に関連しています。これらの潰瘍は、胃酸が胃や十二指腸の粘膜を傷つけることで生じ、胸焼けを引き起こすことがあります。胃酸が多く分泌されると、逆流して食道の粘膜を刺激し、胸焼けを感じることがあります。潰瘍が進行すると、胸焼けの症状が悪化する可能性があるため、早期の診断と治療が重要です。

詳しい診断と治療については、他のページをご参照ください。

胃がん・食道がん

胸焼けは、食道がんや胃がんと関連があります。逆流性食道炎(GERD)による慢性的な胃酸逆流が、食道粘膜や胃粘膜にダメージを与え、がんのリスクを高めます。特に、バレット食道などの前癌状態が食道がんの発生率を上昇させます。胃がんは、胃酸の過剰分泌やピロリ菌感染が原因となり、これが胸焼けを引き起こすことがあります。したがって、胸焼けの症状を放置せず、早期に診断と治療を受けることが重要です。

詳しい診断と治療については、他のページをご参照ください。

食道アカラシア・機能性ディスペプシア

食道アカラシアは、食道下部の筋肉(下部食道括約筋)が弛緩せず、食べ物が胃に入りにくくなる疾患です。食べ物が食道内に停滞するため、胸焼けや逆流の症状を引き起こすことがあります。機能性ディスペプシアは、胃の運動機能が低下し、胃酸逆流や胸焼け、胃もたれを引き起こします。これらの疾患は、消化管の運動機能に問題があり、胸焼けを引き起こしやすいです。

機能性ディスペプシア

狭心症・心筋梗塞

狭心症や心筋梗塞は、心臓の血流が不足することで胸痛を引き起こしますが、この胸痛が胸焼けと似た症状を呈することがあります。特に狭心症の痛みは、胸の中央部に焼けるような感覚や圧迫感を伴い、食道の痛みと区別しにくいです。心筋梗塞の場合も同様で、強い胸痛が胸焼けと誤解されることがあります。

胸焼けを放置すると

胸焼けを放置すると、食道の粘膜が長期間にわたり胃酸によってダメージを受け、逆流性食道炎(GERD)や食道狭窄、バレット食道などの病状が進行する可能性があります。バレット食道は、正常な食道の細胞が異常な細胞に置き換わり、食道がんのリスクを高めます。さらに、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の悪化、胃がんの進行も考えられます。内視鏡検査で早期に発見し、治療を開始することで症状の悪化を防ぐことができます。

胸焼けでお悩みの方はお気軽にご相談ください

胸焼けでお悩みの方はお気軽にご相談ください

胸焼けでお悩みの方は、当クリニックにご相談ください。当クリニックでは、熟練の内視鏡医が行う苦痛の少ない胃カメラ検査を提供しております。消化器病専門の医師が丁寧に対応し、適切な治療を行います。些細な症状でも、どうぞお気軽にご相談ください。

胃カメラ検査

参考文献

  • 日本消化器病学会ガイドライン:胃食道逆流症(GERD)ガイドQ&A
  • 日本消化器病学会:機能性消化管疾患ガイドライン2014 - 機能性ディスペプシア(FD)
  • 日本消化器内視鏡学会:消化器内視鏡Q&A