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食道がん

食道がんとは?

食道がんについて食道がんは、食道の内壁に発生する悪性腫瘍で、特に中高年の男性に多く見られるがんです。日本における食道がんの主な種類は「扁平上皮がん」で、これは食道の表面を覆う細胞に生じるものです。欧米では「腺がん」も多く見られますが、日本では比較的少数です。食道がんは初期段階で症状が現れにくいため、進行するまで発見が遅れることが多い病気です。そのため、胃カメラ検査による早期発見と適切な治療の選択が重要です。

食道がんは進行度により、治療方法や予後が大きく異なります。早期に発見された場合は、治療の選択肢が広がり、予後も比較的良好ですが、進行がんの場合は治療が難しくなり、治療成績も悪化します。食道がんのリスクファクターや症状を正しく理解し、胃カメラ検査による定期的な検診や生活習慣の改善に努めることが予防に繋がります。

食道がんになりやすい人

食道がんのリスクは、いくつかの要因が知られています。
最も大きなリスクファクターは、喫煙と飲酒です。タバコに含まれる有害物質が食道の粘膜に悪影響を及ぼし、長期的に喫煙を続けることでがんのリスクが高まります。特にアルコールと併用することでリスクは倍増し、重度の飲酒習慣がある人は、食道がんの発生率が顕著に増加します。さらに、強いお酒(高濃度のアルコール)を頻繁に飲む人もリスクが高いとされています。

また、食道アカラシアと呼ばれる食道の運動障害がある患者や、バレット食道(胃酸の逆流により食道下部が変化した状態)を持つ人も食道がんのリスクが高いとされています。食道粘膜が長期間にわたり刺激を受け続けることで、細胞ががん化しやすくなるためです。さらに、熱い飲み物や食品を頻繁に摂取する習慣がある人も、食道がんのリスクが上昇することが報告されています。

遺伝的要因も無視できません。家族に食道がんや他の消化器系のがん患者がいる場合、リスクは高まる可能性がありますが、生活習慣の影響が大きいことが特徴的です。

症状

食道がんの初期症状は非常にわかりにくく、多くの場合は進行するまで症状が現れません。代表的な初期症状としては、食べ物が飲み込みにくくなる(嚥下困難)ことがあります。これは、がんによって食道が狭くなり、固形物が喉を通りにくくなるためです。症状が進行すると、液体も飲み込みにくくなり、さらに進むと痛みを伴う嚥下(嚥下痛)を感じるようになります。食事の際にこのような症状を感じたことがある方は、胃カメラ検査を受けることが重要になります。

また、胸やけや胸部の違和感、体重減少が見られることもあります。これらの症状は他の消化器疾患と共通するため、食道がんとは気づかれにくいことが多いですが、これらの症状が長期間続く場合は医療機関での診察が必要です。さらに進行すると、血を吐く、声がかれる(声帯麻痺)などの症状が現れることもあります。咽喉、喉頭に関しても胃カメラ検査で観察しますので、お気軽にご相談ください。

検査と胃カメラ検査の必要性

検査と内視鏡の必要性食道がんの診断には、内視鏡検査が非常に重要です。内視鏡検査では、食道内部を直接観察し、異常な部分を確認できます。がんが疑われる部位から組織を採取し、病理検査を行うことで、がんの有無を確定することができます。
早期の食道がんの場合、症状が軽微であることが多く、定期的な内視鏡検査が発見の鍵となります。特に、リスクの高い喫煙者や飲酒者、バレット食道などの既往歴がある方には定期的な内視鏡検査が推奨されます。内視鏡検査によって早期に発見されることで、治療の選択肢が広がり、予後が大幅に改善される可能性があります。

胃カメラ検査

治療

食道がんの治療法は、がんの進行度や患者の全身状態によって異なります。早期の食道がんであれば、内視鏡的切除術が効果的です。この方法では、内視鏡を用いてがんを切除するため、体への負担が少なく、入院期間も短いのが特徴です。

進行した食道がんの場合、外科手術が主な治療法となります。手術では、食道の一部または全体を切除し、胃や腸を用いて食道の代わりに再建します。身体への負担が大きい治療法ではありますが、近年では低侵襲手術なども普及しており、根治が期待できる治療法です。手術が難しい場合や、補助的な治療としては、放射線療法や化学療法も行われます。これらの治療は、がん細胞を縮小させたり、転移を抑えるために用いられます。

食道がんは早期に発見することができれば、内視鏡による根治切除が可能な疾患です。食道がんのリスクが高い方は、定期的に胃カメラ検査を受けることが推奨されます。

おわりに

食道がんは胃カメラで早期に発見することができます。特に、喫煙や飲酒といったリスク因子を持つ方は、定期的な胃カメラ検査を受けることが推奨されます。当クリニックでは、熟練の内視鏡医が行う苦痛の少ない胃カメラ検査を提供しております。消化器病専門の医師が丁寧に対応し、適切な治療を行います。些細な症状でも、どうぞお気軽にご相談ください。